射精責任
Gabrielle Stanley Blair 著 Ejaculate Responsibly: A Whole New Way to Think About Abortion
を読んだ。望まない妊娠に対する解決策という点のみに集中した議論である、という前置きのもと、望まぬ妊娠を避けるために必要なのは女が必死に気をつけることではなく男が自分の射精に責任を持つことである、という主張の本。
- 女が妊娠できる期間は1ヶ月に24時間、対して男が妊娠させることができる期間は365日毎日
- 生殖能力がある場合、女は1年に1人の子どもを産める。対して男は1年に365人以上の女を妊娠させることができる
- 女は自分が排卵するタイミングを正確に把握することはできない、対して男は自分が射精するタイミングを明確に把握できる
なのに昨今の主流な避妊方法がほぼ全て女主体なのは頭悪すぎんか?という問題提起から始まって、男女の期待値の非対称性が炙り出してある。簡潔に直球で要点だけが展開されるのでわかりやすく、かつ目から鱗な内容で、今まで自分がどれだけ社会的な期待値に飼い慣らされて明らかにおかしい前提を気づかぬ間に受け入れて流されていたかを考えるきっかけになる本だった。
この本を知ったのは日本語版の翻訳者の村井理子さん経由だったのだけど、村井さんが"Ejaculate Responsibly"を「射精責任」と訳したのは面白いと思った。微妙にニュアンスが変わるけど、与えるインパクトが大きく違って、すごくいい。